ニトリ(NITORI)の「珪藻土製品の自主回収に関する案内」について~健康被害は大丈夫か?店頭持込み以外の回収・返金方法は?

2021年2月17日追記  下記のとおりこの記事の続報を作成しました。よろしければこちらもご覧ください。
続報記事

2020年12月、販売している珪藻土バスマットやコースターに法定基準値を超える石綿(アスベスト)が混入していた問題が発覚しました。国内家具大手のニトリ、そしてホームセンターでこちらも大手であるカインズの製品。いずれも中国で製造されたものです[…]

2020年12月、ニトリ(NITORI)では、2019年8月から販売していた「サラサラコースター テラゾーST」において、法令の基準を超える石綿(アスベスト)が含まれていることが判明し自主回収を発表。その後の自社検査の結果、一部のバスマットなど この商品を含めた計8種の商品を回収対象とすることとしています。

ニトリ社 重要なお知らせ: 公式サイト

参考)消費者庁リコール情報サイトでは、23種と公表されている(2021/1/27現在)
https://www.recall.caa.go.jp/result/detail.php?rcl=00000027370

それにしてもこの石綿(アスベスト)とは何なのでしょうか?

 

 

 

石綿(アスベスト)とは?

天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年にこの作業が原則禁止されました。

現在では、原則として製造自体が禁止されています。石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ることや吸い込むことが問題であり、様々な法律などで予防や飛散防止等が図られています。

石綿の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告) 職業上、アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こると言われ、潜伏期間は概ね15~20年。吸入しなくなったあとでも進行することがあります。

悪性中皮腫とは、肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。若い時期にアスベストを吸い込んだ方の ほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20~50年。

なお、どの程度の石綿を吸い込んだら危険なのかは、今のところわかっていません。(以上、参考:厚生労働省HP)

 

ニトリ(NITORI)の対応は(交換?返金?)

2021年1月27日現在、対象商品を二枚のビニール袋を使って二重入れにし、テープ等で封をして、近くのニトリ店舗まで持ち込めば、確認の上、交換(又は返金)をするとしている一方、

自宅等への回収を希望する場合は、対象商品を二枚のビニール袋を使って二重入れで保管し、1月中旬より回収方法を案内するので待つようにとの広報がありましたが、その後の発表はない状況です。

~ ニトリ社のプレスリリースではこの件は扱っておらず、同社のHPにおいて重要なお知らせとして発表しています。また、同HPの本件専門ページでは、回収の案内を待つような記載はなく、客自ら問い合わせるような内容にも取れる書き方をしています ~

ニトリの電話は大変繋がりにくいので、商品ページからの問い合わせフォームで確認してみたところ、「9~14時」か「12時~18時」の枠で回収に伺うとメールで回答がありました。

しかし、こちらとしては18時以降の回収を頼みたかったことと、公式で回収方法の発表されていないということ、さらにニトリからのメールは返信不可アドレスで送られてきたため返信のしようがなく、社内でコロナによる混乱もあったようなので、次の広報まで様子をみることにしています。

自分の所有物が回収対象品かを判別する方法

ところで、自分が対象の商品を持っているかどうか、判別する方法がないと話になりません。

まず、ニトリ会員の方で、なおかつ、ニトリ会員証を提示して対象商品を購入したことがある方には、自動で案内のメールが送られてきているはずなのでわかります。

万が一、メールが届かなかった方でも、会員証アプリの購入履歴から対象の商品を買ったことがあるかわかります。下の画像は筆者のものです。

しかし、それ以外の方は、ニトリの公式サイトで自分で調べるしかありません。該当する商品を持っていたら、すぐに二重梱包して厳重に隔離保管し、ニトリに相談しましょう。

 

家に保管しておいて大丈夫なのか

近くにニトリ店舗があり健常な方なら店舗に行って交換することもできますが、お年寄りや身体の不自由な方は保管しておくしかありません。

上の方で書いたとおり、綿(アスベスト)は、そこにあること自体が直ちに問題ではなく、飛び散ることや吸い込むことが問題なのであり、法律等では「飛散」の予防・防止等が図られています

したがって、ニトリ(NITORI)側の広報どおり、対象のバスマットやコースターをビニール袋二枚を使って二重包みで保管して、それでも決して割ったりしないように、家具の中などに独立させて厳重に保管しておきましょう。

 

ごみステーション投棄は法律違反!

ごみステーションに捨ててしまっては、ごみ回収業者や清掃工場の作業員さんの健康被害が心配されますし、もとより「法律違反」です。

石綿含有製品については、その性状により、廃棄物処理法によって以下の処理規定が定められています。非飛散性の石綿(アスベスト)のうち、法令の基準値(重量で0.1%を超える石綿を含有するもの)は「産業廃棄物の「石綿含有廃棄物」として無害化処理」することになっています。

要は専門の産廃業者にお金を払って回収してもらうことになります。ただし、割れてしまった物は「非飛散性」ではなく、扱いが難しい「飛散性」という扱いになってしまうかもしれないため、回収する業者は少ないかもしれません。

 

まとめ

今のところ、店舗に持ち込める方は早めに持ち込んで、持ち込めない方は次の広報を待つというところでしょうが、持ち込めない方は厳重に包装して、隔離して保管しておくしかありません。

一日も早く回収が進むことを願っています。

ついに解決!?続報記事

2020年12月、販売している珪藻土バスマットやコースターに法定基準値を超える石綿(アスベスト)が混入していた問題が発覚しました。国内家具大手のニトリ、そしてホームセンターでこちらも大手であるカインズの製品。いずれも中国で製造されたものです[…]

 

 


出典・参考文献)厚生労働省、環境省、消費者庁、株式会社ニトリ様ホームページ、写真・画像引用)PhotoAC様、いらすとや様

 

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