世に埋もれている商品をを安価で仕入れ、ECサイトやフリマアプリで売って利益を出す「せどり」。最も効率が良い方法が「Amazonで売る」と言われています。
今回は、その落とし穴とも言うべき2つの点を解説していきます。
・Amazon FBAがヤバイ
・理不尽なAmazonの措置
・結局フリマアプリやネットオークションの方が良い理由とは
はじめに
Amazonでは自ら販売するものだけでなく、マーケットプレイスというAmazon以外の出品者が販売している商品の売り場も存在し、サイトのコンテンツで区別することなく一緒に売られています。違いは販売者を見て判別します。
このようにマーケットプレイスではAmazonの巨大なネームバリューのもとに、Amazonで売れ筋商品を販売すれば飛ぶように売れていきます(フリマアプリ等と比べて桁違いという意味です)。
つまり、商品の仕入に係る費用やAmazonの手数料、Amazon倉庫への送料、その他諸々の経費を差し引いても利益が残る商品を見つけさえしてしまえば、
①こちらからプロモーションをしなくても自動で売れていく
②商品を発送する手間がない
③お金が必要になったらAmazonから短期間で売上金を回収できる(引き出せる)
「物を入れておけば勝手に他人が買って、代わりにお金を入れてくれて、商品はAmazonが送ってくれる。」
商品をAmazonに預けたあとは、勝手にお金が増えていくイメージなので、Amazonせどりが「自動販売機」とか呼ばれてますよね。
しかし、主に上の①~③までになる過程で長続きしない又は挫折する人がほとんどです。
今回は、その理由を解説したいと思います。
なお、本記事ではAmazonせどりのノウハウは一切紹介していません。代わりにおすすめ紹介記事のリンクを貼るにしても、この記事の内容では相手先に多大な迷惑をかけてしまうので、必要な方は自分で探してみてください。
理由その1 FBAがヤバイ
店頭販売で、あるいはネットショッピングで、Amazonで転売できそうな商品を仕入れたとします。ゲームソフトなど自己配送が主流になっているジャンルの商品は除きますが、多くはFBA(フルフィルメント by Amazon)という、出品者がフルフィルメントセンターと呼ばれる物流倉庫に商品を預けたあと商品の保管、在庫管理、配送、そして発送後のお客様対応まで、すべてAmazonが代行してくれるサービスを利用します。
梱包作業、シール貼り~ 「業務量」って結局どうなの?
商品を仕入れたので、後はFBAに送るだけ!
だめです。ただぶっきら棒にFBA倉庫に送ってよいというわけではありません。FBA倉庫の作業に支障が出ないよう商品を一つ一つ梱包し、さらに規格の定まった段ボール(切り貼りして作った段ボールは不可)に詰めて、Amazonに指定されたFBA倉庫に送りましょう。
こんな事態がアナタを待ってます
・指定されたシールを印刷し、商品一つ一つに貼付
・一箱15kg制限(コロナ禍以降、継続中)に引っかからないよう、商品を丁寧に段ボールに詰めていく(⇒まるでパズルゲームです)
・FBAに送るまでの送料が発生する(Amazonセラー達に重用されていた お得な「ヤマト便」は廃止された)
・首都圏倉庫が混んでいた場合は遠方の倉庫へ配送を指示される(⇒送料が割高に)
FBAに預けて困った
(上の写真は一般倉庫のイメージ画像です)
扱う商品によっては多大な肉体労働、間違いが許されないシール貼り、パズルゲーム、高額な送料… でも、これらをクリアしてFBAの倉庫に預けてしまえば一安心!
というわけではありません。
こんな事態がアナタを待ち受ける
・在庫保管手数料などが発生
日々「在庫保管手数料」が発生しますので、商品が売れないと出費がかさみます。その他の経費として、長期在庫保管手数料、配送代行手数料、納品不備受領作業手数料(FBAへの配送に不備があった場合)、返送/所有権の放棄手数料(販売を取りやめる場合、何かの理由で特定の商品が販売禁止になった場合)、購入者返品手数料(購入者の返品に係る送料を無料にする措置が採られた場合)、、って何だこりゃ!?
・気軽に返品を受けすぎ
これはAmazonの大きな「売り」の一つですが、返品の成功率がホント高いです。使っている物が壊れたから(消耗したので)新しいのをAmazonで購入して、代わりに使っている物を返品する、なんてことができます。商品のすり替え防止措置などの対策が必要であるものの、商品に手を加える措置をFBAが認めてくれるかは不明です。
・倉庫搬入時に商品を紛失された
もしも、FBAに商品を送ったのに いつまでたっても受領されなかったら、探すようこちらから催促しなければなりません。その際は恐らく購入を証明する書類(数年前まではレシートで良かったのですが、現在は不明です。)の提出が必要になると思います。それでも運良く見つかると良いのですが…
理由その2 理不尽な対応(突発的に行われる意味不明な調査、売上金の支払留保)
真贋調査で困った
正しく商品を仕入れてまっとうな販売をしているかを調査するもので、事前の予告なく行われます。過去の請求書を用意して電子化を施したあとAmazonに送信するなどの業務が発生します。ちなみにフリマアプリやネットオークションでこのような調査はありません。
いつ頃、誰に、どんな人を対象に、という要素はまったくわかりません。一円にもならない無駄な業務ですし、もし調査が不合格だったら出品者アカウントが停止されるなどの措置を執られてしまいます。
でも、停止を解除する専門の業者さんもいるみたいです。せいぜい高額な費用を奮発してお願いしてみるのもよいでしょう。
突然のアカウントBAN
Amazonがフリマアプリやネットオークションと比べて煩雑な点の一つに「出品規制」というものがあり、特定のジャンル若しくはブランドまたはコレクター商品を出品するに当たっては、事前にAmazonの許可が必要です。
許可を得るにはその商品に係る請求書の提出が必要になるのですが、一昔前までは某大手の電化製品等取扱店が発行してくれる請求書を提出すればすんなり許可されていました。
特定メーカーの電化製品はもとより、Amazonせどりの一つの肝である「食品」、そして「化粧品」や特定メーカーの玩具など、すべてこのお店で買えばOKだったというわけです。
それが最近、過去に某大手の電化製品等取扱店が発行した請求書を提出して許可を得たアカウントが、立て続けに停止されています。
もし、他の量販店で発行してくれる請求書はまだOKだよ!という話を聞いたとしても、いずれ同様にBANされる可能性が高いことから、絶対に真似しないでください。
突発的な売上金の支払留保(実質凍結)
以上の2つは、Amazonの組織内にある「アカウントスペシャリスト」という部門で行っています。この部門ではほかにセラーの売上金の支払いを一時的に留保して、業務の改善計画書の提出を求めてくることがあります。
副業でせどりをしている方にとって、上の二つも含め「えっ!?」となるでしょう。でも、Amazonからすればお客様の信用を失いかねない要素は、是が非でも潰すことを考えると思います。セラーよりお客様を重視するのは当たり前のことです。
真贋調査の結果が芳しくなかったり、(過去に許可したにも関わらず)まっとうな仕入れをしていないと判断したセラーのアカウントを停止するのは、理不尽とは言えないのかもしれませんね。
では、次に説明する「売上金の支払いを留保する」のはどうでしょう。これも同じ「アカウントスペシャリスト」で行っている措置です。
商品の発送が遅かったり、購入者からの評価が悪いセラーに対して、理由を付して業務の改善計画書を提出するよう要求するのであれば、まあ納得がいきます。なので、普通は事前にメールを送信して提出を依頼してきます。
☆☆しかし、ある日突然 何の予告もなく、いきなり売上金を回収できなく事例があるんです☆☆
この措置は大変タチが悪く、配送遅延率0%であろうが、購入者からの悪い評価が0であろうが、留保される可能性があるのです。
この場合、Amazonでは テクニカルサポートはもとより「アカウントスペシャリスト」に聞いても理由を答えてくれません。ちなみに、いきなり売上金の支払いを留保したとしても、Amazonとセラーで結ぶ「Amazon サービスビジネスソリューション契約」上、何の問題もないことになってます。
よって、Amazonから宿題が出されていない以上、何を提出しようが何を言おうが売上金は支払われないという解釈になりますよね。
なお、どこかに相談するにしても「消費者云々」は関係ありません。
国の機関や消費者センター、国民生活センターは一切関与できないことから、まずはセラー自身が弁護士を探して相談してみるのがよいと思います。
日本弁護士連合会の公式サイトで(時間限定にはなりますが)無料の法律相談を探すのがおすすめです。
※おそらく、上のソリューション契約が日本の法律上有効なものなのかが争点になるかと思いますが、当方は弁護士資格を有しておりませんので、これ以上の記載はいたしません。
結局フリマアプリ、オークションの方が良い理由
そうなんですよね。副業レベルでAmazonせどりをするのはツラいんです。
複数人でやるにしても その分儲けは減ってしまうし、何より精神的な負担が半端ないので、これって本業よりキツいわ!ってなるんですよ。
まあ、安価な額で仕入れできる売れ筋商品を見つけ(または開発して)、損益計算シミュレーションもして、クリアした商品だけAmazonで販売していけば何の問題もないよ!というのが反対意見になるのでしょう。でも、
これは、生業・メインの仕事にしていかないとなかなかできないレベルなのです。自分だけの『お金の自動販売機』を作るのはいいのですが、あまりにも難易度が高すぎます。
ちなみに、以下の点はフリマアプリも同じです。
・サポートスタッフの「テンプレート回答」
・値下げ競争がある
したがって、フリマアプリやネットオークションを推す理由としては、
・良い理由というよりも、「気が楽」だから
・売れ方はAmazonより劣るけど、副業レベルならフリマ、ネットオークションで十分
ちなみに フリマアプリで Amazon の最低価格より高く売っても、
さいごに
気軽な返品対応、意味不明な措置。セラーにとってこの2点は、ハッキリ言って引いてしまいます。
あとは繰り返しですが、「お客様は大事」ですので、不安要素と思われるセラーがいたら それを取り除こうとするのは当たり前のことだと思います。Amazon云々は関係ありませんし、Amazonのルールに賛同できないのであれば利用しなければよいのです。
幸いにも、フリマアプリやネットオークションというものがありますので、そちらを利用してみてはいかがでしょうか。
「Amazon」と「フリマ・オークション」、どちらも良い点がたくさんあります。自分に合った方を利用すればよいですし、肝が据わってきたら両方利用するのも手だと思いますよ。
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(本記事の各写真はイメージです。)