2021年4月、楽天モバイルは格安料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を開始。月額2,980円(税抜)、月のデータ利用量が1GBまでだったら0円(!)。筆者もありがたく利用させて頂いております。
さて、上記格安プランを実施するに当たって同年1月、楽天モバイルはプレスカンファレンスにおいて、いくつかの発表を行いましたが、その内容は順調に実行されているのでしょうか。
楽天モバイルの現状についてはユーザーの一人として気になるところなので、調べてみたいと思います。
果たして今、どのような点が支持されていて、どのような課題があるのでしょうか?
2021年1月29日のプレスカンファレンスにおいて、楽天モバイルは従来の「Rakuten UN-LIMIT V」のアップグレードという形で、同年4月1日からの新料金プランとなる「Rakuten UN-LIMIT VI」を発表しました。事実上[…]
楽天モバイル Rakuten UN-LIMIT VI とは
月間データ利用量で支払金額が決まるスマホの料金プランです。2021年4月1日(木)から開始されました。
2021年からの大々的な無料キャンペーンも、2022年2月現在では終了していました。それでもおトクなUN-LIMIT VI。その特徴をみていきましょう。
良い点
良い点としては、次のとおりです。(※金額はすべて税抜)
○ 料金プランは全国最安値(データ利用量1GBまで0円、同3GBまで980円、同20GBまで1,980円、それ以上なら2,980円)
○ 高速通信で容量無制限
⇒ パートナー回線の場合、同回線の容量を使い切ったあとは同通信速度が制限される〔国内1Mbps、海外128Kbps〕
○ 電話かけ放題&SMSし放題
⇒ 専用アプリ「RakutenLink」を使用すること。ただし、RakutenLinkを利用しなくても10分かけ放題&SMSし放題プランがある(有料)。
○ 申込み手続は、Web上はもちろん店舗に出向いても可能(無料)
⇒ 私の時は、一緒に端末(スマホ)も購入したのですが、そのときスマホ交換保証プラス(有料)をしつこく勧められました(笑)まあ、心配な人は加入すればよいと思います。
○ メールアドレス提供(予定) (2022年2月現在、大手3社の格安対抗プランであるドコモのahamo、auのpavo、ソフトバンクのLINEMOは提供予定なし。)
⇒ ただし、当初2021年夏頃から提供予定でしたが、2022年2月現在の今も提供されておりません。
○ 期間限定の楽天ポイントで料金の支払が可能
⇒ 期間限定の楽天ポイントとは、主に楽天市場で商品を購入したときについてくる楽天SPUでもらえるポイントのことです。楽天市場のヘビーユーザーであれば、料金が発生したとしても楽々支払完了ですね。
(弊ブログ参考記事) 楽天経済圏とは? ー オリジナル経済圏マップで楽天ポイント大量GETの仕組みまで簡単理解 ー
※料金プランには、ユニバーサルサービス料は含めておりません。
不満(デメリット)と心配な点
よい点ばかりではありません。筆者が実際に使ってみて、また、報道の内容から不満な点や心配な点を挙げてみました。
× 着信拒否機能がない
ストーカー行為に悩まされている方、定期的にかかってくるセールスの電話を着信できないようにしたい方には困った現状ですね。ただし、iPhoneについては着信拒否できるようです。
電話アプリ、または連絡先アプリで着信拒否を設定できます。下記の手順をご確認ください。電話アプリの場合「電話」アプリを開く…
Rakuten Linkの通話サービスに関する知りたい・調べたい情報をお選びください。…
× 大手三社に劣る基地局人口カバー率
2022年2月4日、楽天モバイルは目標としていた「無線エリア基地局の人口カバー率(※)96%」を2026年3月末(2025年度末)予定から約4年前倒して達成しました。
- 無線エリア基地局の人口カバー率とは?(右の+をクリック(タップ)すると開きます)
- ※2014年7月「電気通信サービスの広告表示に関する自主基準及びガイドライン」として広告で使用する統一した算出方法。自前の無線エリア基地局が次の算出方法でどのくらいカバーしているかの数値と考えればOKだと思います。以下はwikipediaより引用
全国を約500m四方のメッシュに区切り、メッシュの50%以上で利用できるときは当該メッシュ内の人口を100%カバーしたとみなし、50%未満の場合は0%カバーとみなす。メッシュには、「昭和48年7月12日行政管理庁告示第143号」で規定された「2分の1地域メッシュ」を用いる。このメッシュは高緯度になるほど小さくなる特徴があり、北海道県庁付近では約509.1×462.9m、沖縄県庁付近では624.6×461.6mと特に東西方向の大きさに差がでる。人口は、国勢調査の「常住人口(夜間人口)」を基にする。そのため、例え多くの人が行き交う場所でも駅や商業施設のように居住者がいない場所での利用可否は反映されない。また、人口の変動により実際の利用可能エリアに変更がなくてもカバー率が変わることがある。
しかし、大手三社のカバー率は99.9%と言われており、肩を並べるのはもう少し先の話になりそうです。それでも2021年の1月頃は73.5%だったのですから、ものすごい勢いで追い上げているのがわかりますね。
× カバー率を克服しても…
楽天モバイルは「プラチナバンド」と呼ばれる周波数帯が割り当てられていません。
「プラチナバンド」って周波数700メガ~900メガヘルツ帯の電波のことですが、屋内に浸透しやすく、構造物の陰に回り込んで届くため、建物の奥や地下などでも全然繋がりやすいものなんです。現在は大手3社だけに割り当てられています。ちなみに楽天が利用しているパートナー回線の方はプラチナバンドの周波数帯を持ってます。
(引用:楽天モバイル)
現在の楽天モバイル回線では、屋内だと自動的にパートナー回線に切り替わってしまうのはこのためだと思います。なので、屋内にこもってソシャゲをするとか動画サイトを観る場合、家庭や店舗のWiFiに繋がっていればよいのですが、Wi-Fiのマークが表示されていない場合は、パートナー回線に切り替わっていないか注意する必要があります。
したがって、基地局の人口カバー率99.9%を達成したとしてもプラチナバンドが使えなければ意味がないと言っても過言ではなく、いつまでたっても楽天モバイルは、他社にお金を払ってプラチナバンドが使える「パートナー回線」を借りなければならないのです。
楽天経済圏改悪の理由!?
楽天モバイルでは、2022年9月末の大手三社が持つプラチナバンド免許更新時期を狙って周波数再割当てを政府に要望していくのか、その実績作りのために人口カバー率99.9%を目指して頑張っているようですね。大手三社と肩を並べないと政府も耳を傾けないというのがあるのでしょうか。免許更新のタイミングを狙うとすれば次回は5年後の2027年ですからね。
人口カバー率99.9%を達成するための財源作りのためかはわかりませんが、プラチナバンド獲得のために大金をはたく。そのため、およそ2021年から現在まで楽天経済圏の改悪が続いていると考えれば、ストンと落ちるものがあります。
まとめ
まあ庶民的なレベルで言えば、着信拒否機能を付けてほしいということ。しかも無料通話&SNSアプリ「Rakuten Link」にこの機能が追加されてほしいです。
そして、プラチナバンド周波数の獲得。これに楽天グループの命運をかけているのだとすれば、最近の楽天経済圏改悪の理由としては理解できます。
でも、スマホの月額利用料が0円なんて夢のような話が現実に存在しているのですから、楽天モバイルってすごい!当面は目標達成にまい進して、その後はもっともっとユーザーのニーズに合う大きな夢を見て願い、そして実現させていってほしいと思います。